【地域】
 新潟県新潟市
【ジャンル】
 伝説スポット
【参考リンク】
新潟市下町案内板
  
ドン山地図
地獄極楽通り地図
湊稲荷神社地図
金刀比羅神社地図

2003/11/9 新潟市モデルコースより

 さて、僕の新潟市紀行ですが、今回はガイドコースにしたがって、新潟の街を歩いてみました。僕が参考にしたのは「新にいがた街歩き」というもので、新潟市の観光物産課が発行している、いわば公式の新潟市観光コースガイドブックなのです。
 こんな本を携えつつ、観光客気分で新潟市を歩いてみるのも面白いのかもしれません。ということで、まずは推奨コースの西海岸コースを歩いてみることにします。一応、このコースのテーマとしては”歴史、文化、芸術・知への招待”ということだそうです。コース内全ての施設を歩いていると時間がかかるので、要所要所だけを抑えていきたいと思います。
 純粋の観光客なら、電車やバスでの移動ということになるのでしょうが、とりあえず僕は土地の人間なので目的地までは自動車で行くことにします。海岸沿い、西海岸公園近くの駐車場に駐車します。この駐車場は無料で、しかも夜に柵がされることもないので(新潟の無料駐車場は8時になると閉まるところが多いのです)オススメのところであります。
  
 
 
 まずは、西海岸公園の”ドン山”から。いきなり大砲の写真ですが、別に戦争とか合戦に関係したところではなく、この大砲はかつて海に向かって空砲を撃ち、その音で正午を告げていたという、古き良き時代を復元したものです。松林の中、この大砲のある高台から海を見るのもまた美しいです。もっとも以前より、松が繁ったのか海は見づらくなっていたような気がします
 学生時代は、よくこの西海岸に遊びに来ていたせいか、観光客気分と言うよりは当時の思い出を思いだし、ふと懐かしい気分に浸ったりしました。ええと、なぜか思い浮かぶものは男友達の顔ばかりなのですけど、女性とのロマンスとか色っぽい話は僕の学生時代には無かったんでしょうか。とりあえず、昔のことなので忘れたと言うことにしておきます。深く突き詰めると涙が出そうになりますので。
 
 
 
 で、この西海岸公園から繁華街の方へと坂道を下っていきますと、”地獄極楽小路”なる、何やら恐ろしげな名前の所に出ます。こちらの小路、向かって右側が”旧新潟刑務所”(地獄)、左側が江戸時代から続く高級料亭”行形亭”(極楽)を分けた小路ということで、この名がついたということです。
 ”くさい飯”と庶民には手の届かない高級料亭、いずれも一般人の僕には、縁のない世界でして(刑務所の方はあるのでは?と思った奴、呪う)昔の人も、そんな思いから、この塀の向こう側にある地獄と極楽の世界を想像しこの名をつけたのでしょう。
 ちなみに僕が初めてこの小路を知ったのは、酔っぱらってあちこちをウロウロしている時で、そんな時にこの小路の標識を見たので、「地獄極楽小路」というそのあまりに現実離れした名前に、一瞬、酔っぱらった勢いで別の世界にトリップしたのかと思ったことがあります。
 
 
 
 地獄極楽小路を曲がると、このような黒塀が続く白壁通りに出ます。塀は黒いのに白壁というあたりが疑問ですが、昔は白壁だったのでしょう。まだ古き日本の景観が残っております。ここでぜひ見ておきたいのは鏝絵(こてえ)ですね。
 
  
  
 料亭”行形亭」の蔵の窓(写真左)の上の方を見ると鶴の彫刻らしきもの(写真右)これが鏝絵です。僕も初めて見たのですが、昔の蔵にはよくあったそうで、彫刻などではなく、左官屋さんが鏝(こて)を上手く使い、漆喰を塗りながら、この形を作るとか。屋号などなら民家の蔵などでみることもありますが、ここまで精巧なのは見たことが無かったので、かなり感激しました。
 
 
 
 さて、西海岸から少し足をのばして(徒歩20分くらい)下町(しもまち)散策と行きましょうか。こちらも推奨コースでテーマは”情緒あふれる下町浪漫(しもまちロマン)”。この下町というのは、古くからの港町でして、港町として発展してきた新潟の原点とも言えるべきところであり、あmた港町ならではの信仰を集めた神社が多くあるところであったりします。その下町の神社の中でも最も有名なのが”湊稲荷神社”(上写真)です。
 
 
 
 一応、稲荷神社というだけありまして、このように味のある顔をしたお稲荷さんがいるのですが(なぜか前足が紐で縛られていたのですが由来とかあるのでしょうか?)この神社が有名なのは狛犬の方でして願懸け高麗犬という狛犬が有名なのですね。
 

 願懸け高麗犬(こまいぬ)
  
 この神社、もともとは海上安全を願う神社として船乗りの信仰を集めていたのですが、いつの頃からか、この狛犬にちなんで道楽稲荷と呼ばれるようになったと言われます。
 なぜ道楽稲荷と呼ばれるようになったか、そしてこの狛犬がなぜ願懸け高麗犬と呼ばれているか?その理由は、かつて新潟港が大いに賑わっていた江戸時代まで時代をさかのぼります。
 当時の船乗り達は、新潟港に入ると花柳街で遊び、遊女に送られて船に帰るというのが一つの風俗となっていました。当然のことなかがら、遊女たちは毎夜船乗りが遊びに来てくれることをねがい、逆に船が出航し、船乗り達が新潟を去ってしまうのを恐れたわけです。そこで、荒天となり港が荒れ、船乗り達が港を出ないことを、この狛犬に願をかけたと言われております。遊女達と遊ぶための願いを叶えるということで道楽のための稲荷神社と呼ばれるようになったのでしょう。
 
 で、この狛犬への願掛けの方法ですが、ただ願い事をするというだけではなく、願い事を心に念じながら、この狛犬を回すという独特の方法でして。
 
   
 (こんな感じで狛犬が回るわけです)
 
 うん、言わずもがな、僕も回しながら願い事をしましたよ。ええ、いつもの願いです。今年、どれくらい願ったか分からないくらいですね。願いと言うよりは祈りと言ってもいいほど厳粛なものですよ、ええ。
 
 で、今年ももう終わりに近づいているわけですが、あいかわらずその願いが叶う兆候すらないのはどういうわけでしょうか?ロマンスの神様!
 
 
 
 ・・・寒い毎日が続いていますねぇ(涙)
 
 
 さて、気を取り直して下町巡り、他にも見所は色々あるのでしょうが、最後は信濃川に出来た新しく出来た”柳都大橋”のすぐ近くにある西厩島町の”金刀比羅(ことひら)神社”へ。
 
 
 
 ”こんぴら様”の名称で親しまれているこの神社、やはり港町の神社と言うことで、航海の安全を祈願した神社です。ガイドによると国の有形民俗文化財にも指定されている北前船の模型28点が収められているということなのですが、残念ながらそれは見ることが出来ませんでした。
 ただし、その他にも興味深いものがいくつかありました
  
 
 まずは、この狛犬。阿吽、どちらの像もそうなのですがとりわけ阿像の方はドロドロと言っていいほどに変形しております。おそらく潮風に腐食したのでしょうが、それにしてもこれはひどいと思います。ここまで、腐食したのには伝説があるかなとも思うのですが、少なくとも僕が調べた限りではありませんでした。誰か知っている方いたら教えていただけたらと思います。
 想像するに、こんな伝説があるのではないかと思います。
 
 
 これより、はるか昔、新潟の港に嵐が三月も続く時があった。海はしけ、船は出航できず、船乗り達は新潟に足止めをくらっていた。困った船乗り達が、祈祷師に相談したところ、港に水蛇(龍神とも呼ぶ)が住み着き、それが暴れている、それを治めるためには、水蛇を誰かが退治しなくてはいけない、と言われた。
 神のような水蛇に敵うわけがないと、船乗り達が恐れ、思案にくれていたところ、兄弟らしき二人の若者が「俺達が水蛇を退治してやる」と言って、船に乗り込み、荒れた港を出港した。若者達が出航して、しばらくすると悲鳴のような雷鳴があたりに響きわたり、そして嵐は治まった。
 戻ってきた船に、若者の姿は無かったが、船一面に毒液がまかれ、船のあちこちがすでに朽ちていた。どうやら、水蛇が退治されたとき、その苦しみから己の毒液を船にぶちまけたらしい。「さては若者達も、この毒にやられたか、自分の命と引き替えに嵐を治めてくれた」と船乗り達が感謝し、さて港を出発するかと、いつものようにこんぴら様にお参りに行ったところ、こんぴら様の狛犬が毒液がまかれた船のようにドロドロに溶けていた。ああ、あの若者達は、この狛犬だったのかと船乗り達は狛犬に感謝し、今まで以上にこんぴら様を厚く信仰するようになったんだと。

 
  
 だいたい、こんなところでしょうか。ありそうな話のような気もしますが、あくまでも僕の単なる思いつきなので、本当にあった伝説だと思わないように。
 しかし、こんな話を考えさせるくらいに、下町は情緒あふれる町なのですね。町の空気が、なにやらそういう昔ながらの空気を感じさせるのです。ああ、新潟もじっくりと歩いてみると、こんな不思議なところがあるんだなぁと実感しました。
 
 もっとも、そういう雰囲気を最も感じたのは、願懸け狛犬でも、この狛犬でもなく、おなじく金刀比羅神社の中にあった竜王殿と陰陽石を見てなのですが。
 
 
 竜王殿(左)と陰陽石(右)
 
 どういう言われがあるのかは、まったく分かりませんが、男性と女性のシンボルを模したこのようなものが神社の中にあるということ自体が、かなり奇異に思われます。もちろん、境内の中にもこれについての説明は一切ありませんでした。(石の名前に関してはインターネットで調べて、ようやく分かった次第です)
 
 
 
 新潟市のガイドブックに、これについての説明が一言もないということに大いに不満を感じます!
 
 
 
 
 ・・・市内の中心部にこういうのがあるのは、非常に貴重だと思うんですけどねぇ。
 


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