【地域】
 新潟県村上市
【ジャンル】
 伝説スポット
【参考リンク】
 
茂助地蔵地図

2004/5/17 茂助地蔵

 
 村上市外れにある岩ヶ崎から滝の前への峠道(写真)、今でこそ舗装されていますが、昔は寂しい峠道だったことでしょう。
 
 
 
 この峠道の中程にこのような地蔵堂があります。
 
 

 
 近寄ってみると、このような大きな地蔵が一体と他に小さな地蔵が何体かあります。この大きな地蔵には次のような伝説が残されています。
 
 昔、この峠道を老僧が歩いており、その後ろを小物屋の女が登っていた。女は老僧の持っている金に目が眩み、老僧を絞め殺してしまった。すばやく金を取り、老僧の死体を峠から谷底へとつき落とし、女は家へとかえった。
 その翌年、この女は男の子を産んだ。小物屋の夫婦は大変喜びし、茂助と名をつけ可愛がって育てた。この茂助、生まれたときより全く口がきけない。
 さて茂助が五才になった頃、ある夜母に連れられて、小便におきた茂助が「今日はわしが殺された日だ」と恨みがましい声で大声をだして叫んだかと思うと歯をむき出しにして倒れた。
 そうなって、茂助は殺した老僧の怨霊と女は気付き、恐れおののいた。
 
 翌日、女は僧を殺した罪を悔い、髪を剃り尼となった、そして、罪滅ぼしにと老僧を殺したところに地蔵を建てた。この地蔵は「茂助地蔵」と呼ばれ今日まで残っている。

 
 というこのような恐ろしく悲しい話が残っているわけですね。
 ちなみにこの話は全国的にあり「六部殺し」の話と知られているようです。
 
 巡礼者を泊めた家の人が巡礼者の持っている金に目がくらみ殺す。
 やがてその家に、ものを話さない子が産まれる。
 ある晩、息子を用足しに連れ出すと「お前がオレを殺したのもこんな夜だったな」といい、気付くと子供の顔は巡礼者の顔に変わっていた。
 ということで、僧と巡礼者、泊めた家の者とすれ違った女という細部は異なっているものの大枠では同じ話となっています。
 
 人間の欲を戒める話なのでしょうが、それにしてはかなり生々しい話ではあります。現在でも通用しそうなほどのリアリティーがありますよね。金に目が眩むことの恐ろしさは昔も今も変わらずということなのでしょう。